文字詰め(スペーシング)にはこだわります。
<デザイン職人のこだわり>
「デザイン職人あるある」をたまに書こうかと思います。
シンボルマーク・ロゴマークを制作する機会がよくありますが、文字をベタ打ちで組んだだけではカタチがバラバラで、完成度が低くそのまま使えません。
例えば、このVALUEという文字、VとA、LとUの間のスペースが空きすぎて間延びして見えます。
(書体はシンプルで文字幅が揃って見えるヘルベチカ・レギュラーを見本として使用)
UとEの間も、他とのバランスを取ると、もう少しだけ離したいなーという感じです。
スペーシングを調整したのが下のものです。
グッと引き締まって、いい緊張感があるのがわかると思います。
こういう、細かいところを、
提案の際に、また最終フィニッシュの段階でより精緻に調整します。
大きなサイズでも、また小さくなってもオカシクないように。
拡大して、また縮小して、細かくチェックしていきます。
チェックのポイントとしては
1.文字そのものよりも間の「アキ」が同じバランスになるよう意識する。(見本だと「黒」の部分)
2.小さくして全体で見て、バランスを確認する。(目を細めて見るのもバランスがわかりやすい)
3.ポジタイプ(白地に黒)だけでなく、ネガタイプ(黒地に白)でも確認するとよりわかりやすい。
・・というところかと思います。
今の時代はデジタルで作成していますが、デジタルのない時代はコピーで拡大・縮小、最終のデータは特大サイズで製作、紙焼きで特小サイズにして確認、修正を何度も繰り返す・・という作業をしていたので、昔と比べると比較のための作業部分はずいぶんラクになりました。
そして、この文字詰め(スペーシング)というのは、マークだけじゃなくて名刺1枚、コピー1行でも発生するんですね。
例えばFAXという文字のAとXの間は必ず詰めないと空いて見えますし、〜〜です。というコピーの「す」と「。」の間も空いて見えます。
イラストレーターソフトでは「自動文字詰め」機能を使うとある程度自動で調整されますが、本当に綺麗なものにしようとすると、時間をかけて、細かく調整する必要があります。
デザインアイテムの中で、特に名刺に関しては、重要度が高く、また一度作るとずっと同じデザインを使うものなので、時間の許す限り(?)丁寧にスペーシングをします。
名刺1枚に時間をかけすぎだ・・と思うくらいですが、そこに関しては、もう「これは趣味でやっているんだ」と思うことにしています。(でないと時給がすごいことになってしまうので)
デザイナーの、こんなこだわり部分がお客さんの役にたつかわかりませんが、同業者には「わかる!」「他にも同じような人がいたか!」と思ってもらえる方もいるかもしれませんね。(^^
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